会社設立2 ~資本金~

前述のとおり、今回は株式会社の資本金についてである。

株式会社は責任を資本金の範囲のみで負う有限責任社員のみからなる会社なので、資本金を決定する必要がある。
資本金は、現行法(平成24年2月現在)では制限がもうけられていない。
そのため、さすがに0円では無理だが、資本金1円から会社を設立することも可能である。
とはいえ、最近は1円で会社を設立する方はまず見られない。
確認会社制度のときは、目新しさからそのようにした会社も散見されたが、それでは設立してもやっていけないと皆理解したのだろう。

資本金をいくらにするかについては、2つの観点から決定する必要がある。
一つは事業に必要な資金という自分の側の視点、もう一つは取引先から見た安心感という相手側からの視点がそれである。

前者は、例えば開業するにあたり、小売業なら在庫や店舗等の初期費用、製造業であれば工場や原材料の費用がかかることになる。
これらをまかなえるだけの資本金を用意しなければならないということである。
一般的には半年くらい動かせる資金が必要といわれている。

後者は、いくらあれば仕入先や顧客が信頼するかというものである。
例えばあなたが小売業者に商品を販売しようと思ったとしよう。
その時、手形でその商品を販売しても安心だろうか。

広い意味では、許認可の最低資本金もここに入るだろう。
建設業や一般派遣等、資本力を要求されるのは、取引の安全を考えているからである。


株式会社は資本金分しか責任を追わない形態である。
あまりに資本金が少ない場合、そのような会社との取引は敬遠されるのが一般的である。

これを考えると、実は旧商法の最低資本金制度はわりと妥当な金額といえるだろう。
1000万円や300万円あれば、ある程度信用してもらえるのは今も同じである。
この額を目安にすると良いだろう。

実際、低資本ではじめて取引に苦労し、やむなく増資した会社も多々ある。
最初ちょっときつくても、資本金はそれなりの額を用意すべきである。
逆にそれを乗り越えられる能力があるという証明だと考えるのが妥当ともいえる。

だからといって資本過多もお勧めできない。
お金のありすぎは使いすぎにつながるため、失敗を誘発しやすいからである。
多額の融資を受けて金遣いが荒くなる企業をたまにみかけるが、資本金も同様で、ありすぎるとろくなことがないのである。
設立時の費用もかさむし、税金(均等割り)も高くなるのも痛い。

話は変わるが、資本金は、会社に入れると使えなくなると思っている方が結構いるようだが、実はそのようなことはない。
競馬やパチンコに使うことはできないが、店舗経費や商品購入等に使用することはなんら問題ないものである。
むしろそのための資本金といって良いだろう。
よく「資本金は会社に残しておかなければならないのですよね」と質問をもらうが、そのようなことはないので安心して資本金を用意してもらいたい。

ちなみに資本金は、原則として現金でなければならない。
しかしときとして現物出資という形で現金以外のものを資本金として計上することがある。
これは法律で認められているものなので、可能ではある。

しかし、お勧めはできない。
資本調達能力を疑われるし、定款にも現物出資した記録が残って格好悪い。
事業用の不動産なら話は別だが、PCのような動産を現物出資などした日には、一発でダメ会社の烙印を押されること請け合いである。

ではこれらを考慮して資本金の額を決定したら、次は商号を何にするかである。
次回は商号について述べていくこととする。

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