【第3回】事業計画なんて難しくない

前回、事業計画を作成しなさいと書いた。
大体事業が1年かそこらで頓挫するのは、多くの場合全く考えていなかったか、考えが甘かったという話である。
それでは事業計画がなかったといわれても文句は言えないだろう。
しっかりした計画があればそのようなことにならなかったはずである。
独立開業の支援をして結構になるが、失敗する者は例外なく事業計画を立案しなかった者である。

なぜ書かないか?
立案しない者は、事業計画は難しい、書き方が分からないから作りたくない、と回答する。
本当に難しいのだろうか?

書き方も分からないのか?
そんなことは通常ありえない話である。
所詮は積算の話であり、簡単な算数の世界なのだから、日本人ならできないわけはない。
多くの場合は作りたくない、面倒くさいから作っていないだけである。

考えてみてもらいたい。
事業をはじめるときに、何も考え無しに開業するだろうか?
通常何かしらのことは考えているはずである。
故に作れないということはないのである。
紙に書き起こすのが面倒なだけである。

他に考えられる理由は、事業計画って複雑で難しいと思ってしまって挫折してしまうパターンがある。
これは出回っている書式が豪勢過ぎるのが原因だろう。
あんなに立派なものを書く必要はない。
事業の軸を通し、収益・費用を計算すれば十分である。

実は、第1期の事業計画は精密に作りすぎない方が良いのである。
あらかじめ仕事の受注等が決まっている場合は別だが、第1期の事業計画は未知の世界なのであまり考えすぎても良い結果は生まれないので、致命的なミスさえなければ問題ないだろう。
何期か事業を行い予測が立つようになれば自ずと精度の高い計画が出来るようになるので、心配する必要はない。

さて、事業計画を立案する際重要なのは、紙に書いて残しておくことである。
頭の中にあるから大丈夫・・・全然大丈夫ではない。
人の記憶などあいまいなもので、夢の中と同じでつじつまが合っていないなどしょっちゅうなのだ。
紙に書くことによって頭の整理も出来るし、紙に書くのは絶対である。

では前置きはこれくらいにしておいて、簡単な事業計画の作り方を見ていくことにしよう。
まずは現状を把握しよう。
強み、弱み、機会、脅威という、いわゆるSWOT分析をするのが一般的だ。
分析といってもたいしたものではない。
最初は大体の雰囲気で十分である。
これを作っておくと、銀行からの融資のときも役に立つので重宝する。
4分割の表にするのが見やすくて良いだろう。
下のほうに自社のリソース(陣容)と事業概要を書いておくとより現実的な分析が可能となる。

次は売上予想である。
第1期はこれが一番出たとこ勝負だが、自分達のリソースと事業等(先のSWOT分析)を考えればそんなに派手に予想が外れることはないだろう。
あまりに計画と実際がずれるようなら、すぐに対策をうつ必要がある。
ポイントは、あまり夢を見過ぎないことと、少なくとも3年で黒字化することというところになるだろう。
どうしても黒字化しそうもないときは、事業を見直す必要がある。

あと一つは経費予想である。
これは一番確実なので、シビアにやらなければいけないものである。
面白いもので、予想された経費はほぼ間違いなく使用することになる。
それで済めば良いのだが・・・
仕入、家賃、給与、水道光熱費等々、必要と思われる経費を積み上げ、それを記載すればOKである。

経費で気をつけたいのは、必ず自身の給与を入れることである。
一人でも自分の給与を計算しなければならない。
そうしないといつまでたっても給与が出ないことになる。
最初はお金がないから入るようになってから、ではなく、最初から計算し、払えるようになるようきちんと計上する必要があるのである。

ここまでやっておけば、第1期ならあとはオプション程度の認識でも良いだろう。
色々書いてある立派な事業計画所は会社がもう少し大きくなってからか、銀行融資を受けるときで充分である。
とりあえずはこれで問題なくいけるだろう。

たかだかこの程度である。
パーツを見てみたら特に難しくないことに気がつくだろう。
量もそれほどではなく、ちょっと腹ごなしに作れる程度の量である。

最後に事業計画書を作成するメリット、デメリットをあげておこう。
デメリットは、多少なりとも時間と労力がかかることだろう。
しかし、以上の通りたいした手間ではない。

一方、事業計画書を作るメリットは目標が立てられることである。
目標が無いとダラダラするのは人の常で、目標管理は経営の基本というのは皆さんよくご存知だろう。
目的にたがわず、しかも高いモチベーションをもって事業を遂行できるのである。

そしてもう一つ、そのために帰納法的志向で物事を考えられることがあげられる。
経営には演繹法的思考より帰納法的思考の方が向いているので、その意味は大きいといえる。

どうも日本人は言語のせいかこの帰納法的な思考が苦手傾向で、これだけ稼ぐためにこれをやろうという意思決定がうまく出来ない方が多いように思われる。
この思考法で活動するためにも事業計画書の作成は欠かせないのである。

再三書いてきたが、事業計画、そして事業計画書の作成はそんなに難しいものではない。
騙されたと思って、起業する前にまず事業計画書を作成してほしい。

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