景表法等一部改正の公布

商品及び役務の取引に関連する不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止するための法律として、わが国では不当景品類及び不当表示防止法(通称「景表法」。以下「景表法」という。)というものがある。
昨年末にホテルでの食材偽装が問題となったため、ご存知の方も多いだろう。
偽装や過大な景品類を商品につけることによって消費者の正しい判断を狂わせることを防ぐ形の法律である。

似たような法律に独占禁止法や不当競争防止法があってちょっとわかりにくいが、こちらは原則として消費者が対象となっていることと「表示」であることが特徴となっている。
重複する部分がないとはいえないが、一応棲み分けもあるようだ。


小売業、サービス業が主な対象企業になりますが、先の偽装問題でもわかるように、軽視されがちな法律でもある。
偽装=罰則という構図になってはおらず、防止策の策定、実施を怠った場合に罰則規定が適用される仕組みになっているからではないだろうか。
あの業界は、言われたらやればいいという風潮があるので、このような法の仕組みは悪用されてしまう恐れが強い。


私見ではあるが、もう少し厳しくしても良いのではないかと思う。
偽装の全てがミートホープ社の社長のように不正競争防止法で有罪判決ということだと、この法律の存在意義が薄いのではないだろうか。


さて、その景表法だが、平成26年6月6日に景表法等の一部を改正する等の法律(平成26年法律第71号)が成立し、同月13日にこれが公布されたのは周知のとおりである。
公布から6月以内の施行ということになっているので、年内には施行されるものと思われる。

変更された部分は以下の通りである。

1 事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置(第7条関係)
事業者は、先の食材偽装問題のような、「自己の供給する商品等について、表示等により不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害する」行為が行われないようにするため、体制の整備その他の必要な措置を講じなければならないこととされた。

また、内閣総理大臣は、事業者が講ずべき措置に関して、
① 必要な指針を定める
② 指針を定めようとするときは、事業所管大臣等に協議し、消費者委員会の意見を聴く
とされた。

2 指導及び助言(第8条関係)
内閣総理大臣は、事業者が講ずべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るため必要があると認めるときは、必要な指導や助言ができる。

3 勧告及び公表(第8条の2関係)
内閣総理大臣は、事業者が正当な理由がなくて講ずべき措置を講じていないと認めるときは、表示等の管理上必要な措置を講ずべき旨を勧告できる。
また、当該事業者がその勧告に従わないときは、その旨を公表できる。

4 報告の徴収及び立入検査等(第9条関係)
内閣総理大臣は、3の勧告のために必要があると認めるときは、報告の徴収及び立入検査等を行うことが出来る。

5 適格消費者団体への情報提供(第10条関係)
消費生活協力団体等は、適格消費者団体に対し、偽装等の情報を提供できる。
また、適格消費者団体は、この情報を差止請求権の適切な行使以外の目的のために利用し、又は提供してはならない。

6 権限の委任等(第12条関係)
消費者庁長官は、緊急かつ重点的に不当な表示等に対処する必要があること等の事情があるため、措置命令等を効果的に行う上で必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、報告の徴収等の権限を事業所管大臣等に委任できる。

また、消費者庁長官に委任された権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、都道府県知事が行うこととすることができる。

7 関係者相互の連携(第15条関係)
内閣総理大臣、関係行政機関の長、関係地方公共団体の長等は、必要な情報交換その他相互の密接な連携の確保に努めるものとする。

8 その他
その他所要の規定の整備を行うものとする。

今回の改正で重要なのは、1の「事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置」になるだろう。
これは、一言で言えばマネジメントシステムを構築しなさいという理解で良いのではないだろうか。
小売・サービス業がこの条文で変わるかというとかなり微妙ではあるが、誠意のある会社は対応してくるだろう。

ISOやJISを構築する必要まではないと思われるが、マネジメントシステム構築は企業の体力や文化を大きく変化させるので、良い変化が期待できる。
内閣府が力を入れているBCP、BCMと同時に(ほぼ同じ仕組みなので)構築してはどうだろうか。

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