会社法改正による社外役員選任

平成27年2月6日に公布された「会社法の一部を改正する法律」(以下単に「改正会社法」という。)の施行予定日である5月1日が間近に迫ってきました。
もう準備は済ませましたでしょうか。

今回の改正は、中小企業はあまり気にしなさそうですが、大企業にとっては結構大変な改正といえるでしょう。
メインは、コーポレートガバナンスに関する改正となります。

会社法の一部を改正する法律
http://www.moj.go.jp/content/000124653.pdf

会社法の一部を改正する法律新旧対照条文
http://www.moj.go.jp/content/000124654.pdf

わが国の成長戦略にとって、度重なり発覚したコーポレートガバナンス違反は脅威であるという認識があるようです。
この流れは世界的なもののようで、世界的にも英国でスチュワードシップコードが策定され、コーポレートガバナンスを重要視しています。
わが国でもこれに追随、日本版スチュワードシップコードが実施されました。
また、昨年12月にはコーポレートガバナンス・コードも制定され、官民ともコーポレートガバナンスに力を入れていることが伺えます。

今回施行される改正で、大きなものは
1.社外取締役選任に関する事項
改正会社法により、社外取締役(監査役だけではない)を設置しない場合は、相当の理由を述べなければならないとなりました。
不設置の理由はかなり厳しいようで、社外監査役が二人以上いるからというだけでは理由にならないとされています。
その上事業報告、参考書類への記載事項となっていて、社外取締役を選任しないというのは、大企業ではなかなか難しそうです。

2.社外役員の厳格化
さらに社外取締役の定義も厳格化し、
①その会社や親会社、子会社、兄弟会社の業務執行取締役や執行役員、支配人、従業員
②就任前10年以内のどこかでこの会社や子会社の取締役、会計参与、監査役になっていたもの
③その会社の取締役、執行役、支配人等の重要な使用人の配偶者や二親等以内の親族
といったところが社外役員の欠格事項に該当します。
兄弟会社や③の近親者は、今回新たに欠格事由とされた方です。

3.監査等委員会設置会社制度の創設
従来の監査役会設置会社及び委員会設置会社(改正後の名称は、指名委員会等設置会社)に加えて、監査等委員会設置会社制度が創設されます。
簡単に言うと、監査役の代わりに監査委員会を設置するような形です。
取締役になるので、取締役会等で発言権が出てくるところが、監査役とは異なることになります。

その他、会計監査人の独立性の強化(会計監査人の選解任の決定機関が監査役又は監査役会になる)、内部統制システムの整備強化(親子会社のガバナンス強化を目的として、内部統制システム(企業集団内部統制システム)の整備義務を親子会社まで拡大)等の改正があります。

この中で喫緊の課題というと、①の社外取締役選任に関する事項となるでしょう。
6月の株主総会で議題となることが予想され、対策が必要となります。

社外役員は知人や専門家から選任することが多いというデータもあるので、顧問や士業、知り合いの会社役員に入ってもらうことが多くなるでしょう。
ただ、社外役員を10年続けてしまうともはや社外ではないのではという懸念もあるので要注意です。
顧問も法律上は問題なさそうですが、ガバナンスという観点からは、あまり好ましくないように思います。
③の監査委員会を設置し、監査役を監査委員会にして取締役にしてしまうというのも手かもしれません。

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